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25年冬旅行〜旅おさめ編(前)(26.01.04)

 何につけ一応は絶望的観測をするのがクセですので、しばしば「ココに旅行できるのはコレが最後」「悔いのないよう行き残しを全部かたづけておこう」と悲壮な覚悟で旅に出たりする。たぶん十年くらい前、そんな気持ちで金沢の「旅おさめ」を敢行したのが昨年なぜか一年に三回も金沢に出向いたりしてるので、全然アテになる覚悟でもないのですが…
 キャプション:しかも金沢は「できれば…できればもう一回」と宿題が出来て
しまった…開いてる時間に行けなかった尾山神社そばの食堂。わに串揚げって何?クエフライって何?気になるぅ…(泣)に食堂表の手書きメニュー写真「わに(クロコダイル)串あげ・意外にクセがなくて旨いです!トライアル価格990円(税込)」「長崎県五島福江より直送!釣り物24kg級です。クエフライ定食1980円」
まあ金沢の食堂はオプションというかボーナス・ステージとして、さしあたり
1.一昨年にめちゃめちゃ楽しかった北海道まで鉄道で行く旅(青森函館を船で渡る)日和って帰路は札幌から飛行機で帰ってきたのを帰路も鉄路で夏に往復したい(夏の小樽に行きたい処があるのです)
2.18きっぷWで使って四国・九州・山陰の未踏の県を周遊したい。鹿児島・沖縄間は船があるので実は渡ってみたいとも思っている
3.可能ならもう一回くらい台湾に行きたいので無駄に戦争とか煽るの本当にやめてください
というわけで、今回は4.本州まんなかあたりの未練をザザッと片づけてきました。で、帰ってきて(とゆうか行ってる間から)感じていた教訓はこうです:
今週から来週にかけて(たぶん再来週も)の教訓:旅行を「エキストリーム・スポーツ」と取り違える生きかたは、そろそろやめたほうがいい
「18きっぷで鹿児島まで行って、船で沖縄に行く」いや物理的には可能、可能だけどサ…

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4a)沼津で「のっぽ」を食べる
 まずは東海道線で横浜から静岡を経由して名古屋に向かいます。たとえばこの時、今では数時間待ちがデフォルトになってしまった人気ハンバーグ店「さわやか」は「もう自分の割り当ては食べ切った」と未練を切り捨てているわけです。
 沼津で途中下車。アニメ『ラブライブ!サンシャイン』の舞台ともなった現地の駅は
 横浜から名古屋に向かう東海道線の途中・伊豆半島の西のつけ根に沼津(地図)。駅構内には『ラブライブ!サンシャイン』の主人公たち9人の私服とステージ衣装のパネルが並んでいる(写真)
1月1日が誕生日にあたる生徒会長ダイヤさんのお祝い仕様。
 上のパネル写真、隣には独立してダイヤさんの立ち姿パネル。駅の窓には「お誕生日おめでとうございます。沼津駅員一同」のパネルも。
熱心なファンは沼津に移り住んだというくらい、この種の「聖地」では成功した事例だと思いますが、僕は巡礼までする体力はなく昔から現地で親しまれている地元パン「のっぽ」購入で済ませました。細長いコッペパンにクリームを挟んだ、ヤマザキの「ナイススティック」と同形状の菓子パンですが、ナイススティックや、あと細長ロールケーキの「ロールちゃん」がどんどんシュリンクしていった中、「のっぽ」は変わらぬ長さを保持しているように思えます。駅のキヨスクで基本のクリームほか常時5種類くらいのフレーバーが売られていて、今回はクリームのほかにアニメの面々がプリントされた期間限定の「みかん」を買いました。リーダーの千歌ちゃん(髪がみかん色の子)が地元のみかん大好きという設定です。
 「のっぽ」左はみかん・右はクリーム。
時間調整で途中下車した浜松(オルゴール記念館をリコメンドいただいた事があったけど、これは果たせないかもなぁ…)駅構内の、かわいらしい「広告募集中」の広告。
 浜松の場所を示す地図と、小学生(?)の男の子が「先生、広告がいないです。」と手を上げ、隣の無人の学習机の上に「広告募集中!」と記された駅構内の広告。
 駅から駅の間に楽しい眺めはいくらでもあるので(本を読んでたり眠ってたりで見落としがちでもある)鉄道の旅というのも貧相といえば貧相だなという気持ちはないでもない。とは言うものの電車は進む。豊橋は一昨年、東京で仕事が終わったあと18きっぷで名古屋まで到達できないので漫画喫茶一泊の宿に選んださい(だから旅行はエクストリーム・スポーツじゃねいんだぞと)放映予定のアニメの立て看やらポスターやらがバンバン展開されてて(ちょっと面白そうだし当たるといいね)と思ってたら、聖地として成功したかは不詳なれどアニメ自体は大ヒットした『負けヒロインが多すぎる』通称マケインの舞台でした。ずっと昔からこの駅では、乗り継ぎのついでに「あんまき」を買ってます。自分が好きなのは、あんと一緒にクリームチーズ(チーズクリーム?)を巻き込んだチーズあんまき250円。
 豊橋の場所を示す地図と、チーズあんまきの写真。

4b)名古屋・大須で団子を食べる/鶴舞公園を散策する/林さんが憑依する
 かれこれするうち名古屋に到着。まずは昔ながらのアーケード商店街・大須へ。元々は「名古屋の浅草(庶民的な門前町)」だった印象が「名古屋のアキバ(電気とオタク)」を経て「名古屋のアメ横」に??前に来た時より食のエスニック化が加速してる印象。料理店もだけど、アジアン食材店が増えた気がして、個人的には良かれと思う。そうした食材を需要する外国ルーツの人たちが増えただけでなく、日本ルーツでもアジアの食材が身近になると生活の可能性がグンと広がるはず。
 でも今回の目的は新雀本店ひとつ。一本100円の串団子、いわゆる「みたらし」だけど甘味のない醤油味は無二とまでは言わないけれど(別に各地でみたらし見るたび食べてるわけではないので)少なくとも随一を名乗ってよさそうな一品。
 新雀本店の串団子二本をVの字に持った、このアングルの写真を何度撮ってきたことか…
 ここから以前ネットで「名古屋では鶴舞公園がいいよ」と読んだことのある場所まで30分ほど歩くつもりが
 大須観音から鶴舞まで約2km(地図)。
ふだんなら何とも思わない景色にとつぜん魅了されてしまう旅先マジックがここで発動
 東京・神田あたりでよく見かける、二階建てくらいの小さな商店がファサード(前面)が銅板ですっかり緑青色になった通称「看板建築」は間違いなく日本近代建築史(あるいは路上観察学)のトピックを成す特色ある様式なんだけど、慣れきってしまったせいか手元にパッと出せる写真がない。気になるひとは各自で調べてほしいのですが
 上前津で見かけた不思議な建物。説明は下記のとおり。
大須から鶴舞に向かう大通り・上前津駅の近辺で見かけたこの建物は、見たところどうにもコンクリとしか思えないのに全体・とくに前面が緑青みたいな青緑になってて不思議。隣接してる神社の、こちらは銅葺きの真緑に合わせてでもいるのだろうか?
 左から「記念橋西」と書かれた道路標識・記念橋に向かう舗道・記念橋からの眺め(川)・記念碑めいたデザインの柱に「きねんばし」のプレート。
「記念橋」って何の記念よ?と後で確認したら「明治43年に鶴舞公園で開かれた共進会のため道路が新設されたのに伴い、名古屋初の鉄石混合橋が掛けられた」という記述を発見。
関西府県連合共進会に向けて 記念橋(伊藤正博「名古屋歴史ワンダーランド」24.6.16/外部リンクが開きます)
共進会・道路・橋そのもの、何を記念したかは未だ不明ですが何となく満足。
 しかし記念橋も緑青色のコンクリも、旅先ハイでなくてもカメラを向け、知りたくなるもの(個人差があります)。「あ、これは旅先で(あるいは5時間睡眠の朝3時半起きで)気が変になってる!」と自覚したのは、マンホールのふた研究家(そういうひとがいるのです)の林丈二さんが憑依したかのように路上のフタ写真を片っ端から撮りたくなった時でした。
 すべて金属・丸形の小さなフタの中央に「ガス」の字。
そもそも人が入れないような小さなフタを「マンホールの」と呼んでいいのか分からないけれど、まずは「ガス」。ここから全てが始まった。
 セメント張り・長方形のフタの中央に「八」の字。
タイプ「八」。地元の有力企業か。八丁味噌との関係は不明。
 金属?・長方形のフタの中央にカマボコを波形に重ねたようなロゴマーク。
ボルト/ナットのような六角形を六角状に敷き詰めたデザインも特徴的。文字でないロゴは「シドニーオペラハウス」と仮称しておきます。
 フタ二枚。いずれも長方形だが片方はアスファルト詰めで端も角形・片方はセメント詰めで端は丸くカーブした角。真ん中には「電」の下半分をシンメトリーにしたようなロゴ。
デザインは違えど(あ、でも金属の外枠の中にアスファルトなりセメントなりを中心のロゴだけ残して敷き詰めるコンセプトは一緒なのか)真ん中のロゴは同じで、たぶん電気の「電」の下半分がモチーフ。
 水の波紋にアメンボが刻まれた水道局のマンホールは、マニアでなくても見覚えある名古屋のシンボルなのだけど(個人差があります)歩るってく途中で横切った工事現場が
 左:アメンボが刻まれた名古屋市上下水道局のマンホール。中:路上で見かけた工事現場の重機に、右(拡大画像)同じアメンボのマークがついていた。
「あーキミ!そっか!水道局の工事な!!」と一目で分かって面白かった。
 ガス、電気、水道と来たら電話なんだけど、おっと懐かしい電電公社。
 電電公社時代そのままの、金属・長方形のフタ。右にロゴ部分の拡大図。
ロゴのまわりを取り囲む滑り止めの模様がTの字を組み合わせていて(テレホン&テレグラム?)それで中央のロゴマーク自体もTふたつをギュッと丸めて循環する輪にしたデザインだったのだと気づかされる。
 上水(ここをふだん飲む水が通ってるわけですね)には仕切弁とソフト弁があるらしいのも気づきだった。よく見ると両方とも(上でも見た)マル八のロゴがある。
 左:小さな円形のフタで「上水・仕切弁」。右:同様に小さな円形のフタで「上水・ソフト弁」。よく見ると双方に「八」のロゴあり。
 下の二つは用途不明だが、左の舵輪を模したように見えるのは水関係、右も真ん中の星形の中にギリシャ神話に出てきそうな海ヘビっぽいのが刻まれてる事からして、やはり水関係なのだろうか。右の海ヘビ(仮)マンホール、周りの滑り止め模様も真ん中の星形も同じパーツ(滑り止めは大小の四角・星形は大小の十字星形)を組み合わせた模様でかなり凝っている。そしてよく見ると「ブロックV」なる文言が←これは検索しても分かりませんでした。
 左:舵輪マンホール。中:海ヘビマンホール。右にそれぞれのパーツ拡大画像。内容は上記のとおり。
 色々と見た中で芸術点が一番高かった小さなフタはアブストラクト。どの方向から見るのが正解かすら分からない。
 たぶんこの向きだと思うんだけど、抽象芸術のようなフタ画像。伊勢エビの抽象化?みたいな謎デザイン。
 そして一番(旅先ハイで)笑ったのは、十分に人が入れるマル「警」マンホール。コレに警官が潜んでてイザという時はヌッと出てきたり、上からガンガン蹴ったら「やめーっ公務試行妨害で逮捕するぞーっ」と怒られたり、あるいはこの中(というか底)が繋がってて『第三の男』みたいな追跡劇を繰り広げてるかと(ねーよ)想像すれば可笑しいけれど
 真ん中に「警」のロゴが入ったマンホール。周囲の滑り止め模様は正六角形を組み合わせたハニカム型。
実はそんなに可笑しくない。ちょうど旅先読書で1920年代ソ連で書かれたディストピア小説を読んでたせいもあり、マル警のロゴを囲んだ滑り止めの模様も管理社会を象徴するミツバチの巣に見えてくるのでした。くわばらくわばら。

 都市論の好著として何度も引き合いに出している矢部史郎『夢みる名古屋』(21年2月の日記参照)で名古屋が人間性より生産性を優先して造られた都市である(悪名高い「排除ベンチ」も名古屋で最初に生まれたという)象徴として提示されていた、人が渡るには横幅が広すぎる車道。特に真上に高速を通したため設けられた無情に広い中央分離帯が非人間性の最たる感じなのだけど
 左:もはや歩道橋が上に架けられ人が渡ることすら想定されてない自動車道。中:そこに乱入する人間性は右:昔ふうの木造店舗の薬草店(拡大)。
そこに強引に人間性が乱入してくるのも名古屋かも。
 鶴舞公園を散策してきました。
 左:星をあしらったアーチ(くぐれない)が出迎える公園入口。中:入口に植えられた花々。右:西洋風に造られた池。岩ごつごつ。
やー良かった。いい具合に閑散とした真冬の公園。何処か園内の会場からアイドルのステージらしき歌声と、それを圧するような野太い「オタ芸」のコール。君たち、なんというか、ひとを愛でたり愛したりする方法を根本から間違えてる(かも知れない)ことが雄弁に示されちゃってるの、分かってるのかなあ…まあそういうのが楽しい時期もあるんだろうけど、それで「女性に愛されないのは不当だ」はねーべ。
 左:キレイに葉を落とした白い幹。右:西洋風のドーム。
 映える田楽セット(税込み千円也)をいただいて、
 左:離れ的に和風の樹木に囲まれた萩乃茶屋。右:八丁味噌でウナギ色に仕上げた豆腐の田楽に、茶飯・お吸い物・おしんこ・煮物・抹茶寒天のぜんざいが並んだ田楽セット。
 次なる未練=名古屋港水族館に向かいます。(この項つづく)

25年冬旅行〜旅おさめ編(中)(26.01.12)

 【まずは余談
 前回の日記(週記)や昨年暮れ・小石川植物園の探訪記で書いたように、旅先や特別な施設など非日常的な場所に身を置くことは、実は日常生活でも見慣れている(が日常を滞りなく進行させるためスルーしている)事物を新鮮な感覚で見直させる。その賦活された注意力は元の日常に戻ってからも持続するらしい。
 旅先の名古屋で「これは懐かしい」と喜んでいた旧・電電公社の鉄蓋、旅から帰ってみれば東京でも横浜でも珍しくなかった。しかし異郷を訪うまで、その存在に気づきもしなかったのだ。
 池袋で見かけた、名古屋と同型の電電公社の鉄蓋画像。
 そして賦活した目で周囲を見回すと、数十年暮らしてきた横浜の街では、横長の菱形の真ん中に水平線が入った(絵で描く)正面から見た鳥のクチバシみたいなロゴマークが、地上の蓋に頻出してることに気づく。
 左から・鉄製のマンホール。・中央に水平線入り菱形のマーク。・路面の敷石に合わせて石を敷き詰めたマンホールの中央にも。・路面のアスファルトに合わせてアスファルトを敷き詰めたマンホールの中央にも。・市の印鑑登録カード入れ。「横浜市」の文言とともに件のマークがある。
要は横浜市の市のマークなのですが、上下水道を中心に電気も何も、見回せばこの菱形マークばかり。
 左から・水道栓らしき小さな丸ブタに「水」の字を図案化したようなIIIの字を真ん中に刻んだ横長菱形マーク。・「消火栓」と書かれたマンホールにも菱形マーク。・電気関連か?Tの字を組み合わせた図案の真ん中に菱形。・そしてY.W.W(たぶんヨコハマ・ウォーター・たぶんウェストウォーター=下水道局の略称)の小さな四角いプレートにも菱形マーク。
 まあソレだけなら驚かないかも知れないけれど、数十年も暮らしながら全く意識してなかった、道路脇にある水を流す側溝のフタ(グレーチング)まで、よく見ると…こんなん側溝からピエロが出てくる並みに怖いわ!!!
 道路脇の側溝のフタ、よく見ると水平に平行に渡された金具のラインに斜めのラインが入って「ギャー!」横浜市の菱形マークになっている。
 道路の端々にある境界標も菱形マークだ。そのうち周囲にある全てが市のマークに見えてきて、これが栓をしたラッパのマーク(トリステロのマーク)だったら陰謀論をテーマにしたトマス・ピンチョンの小説『競売ナンバー49の叫び』じゃないですか。いや、もう今の世代の皆様の常識ではないんだろうけど(今ネットで「トリステロ」「トライステロ」を検索しても逆に何かの陰謀で消されたんじゃないかってくらい『競売ナンバー…』の秘密結社のトピックはかすりもしない。昔はすっごい有名だったんですよ?)
 左から・土地の境界を示す標も横浜市のマーク。・そのうち目の前にある菱形ぜんぶ横浜のマークに見えてくる(こない)の図。・ラッパに栓をしたトリステロのマーク。
 …人間が日々、想像力を手加減している(させられている)のには、こうした在りもしないモノまで見えてしまうのを避ける意味合いもあるのだろう。賦活され、鋭敏になった感覚が捉える「真実」が妄想や幻覚でない保証も、またないのだ。

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4c)名古屋港水族館を見納め(?)る
 と、その前に、たぶん名古屋港水族館とは関係ない(絶対ない)けど名古屋港駅に向かう地下鉄で見かけた「シャークヤくん」。これは旅先ハイじゃなくても手加減なしで撮ってたと思う。
 地下鉄の外扉の隣に貼られた不動産仲介業の宣伝ポスター。「日本の賃貸を変えるサメ現る。その名は『シャークヤくん』管理も仲介もワンストップで!」ということで燕尾服に蝶ネクタイの礼装をしたサメの「シャークヤくん」が笑顔で直立している。
 金町駅から地下鉄で10分・終点の名古屋港駅から歩いて5分。名古屋港水族館は国内でもトップクラスの人気水族館だ。こんなの前からあったっけ、というエントランスの先には軽食やレストラン・地元物産店などが入った別棟の建物があって、その横を抜けると本命の水族館が現われる。港を挟んで対岸にある南極観測船も見ものだけど今回は割愛。
 こじんまりした名古屋港水族館のエントランス写真と、広々と開けた本体の写真。そのうちの手前の物体が丸で囲まれている。
 水族館の前にシャークヤくん、その前に横浜のマンホールと、もったいぶるかのように前置きが続いて申し訳ないが、もうひとつだけ。上の画像の丸で囲んだ部分。1時・2時・3時…と定時を知らせる「からくり時計」を見ないと、名古屋港水族館に行った気がしない(と思ってるのは自分だけみたいで、ほぼ完全にスルーされてるみたいです)。まして始まる前からスマートフォンを掲げて、逐一撮影する酔狂は。まあ観るがよろしい。音が出ます注意。
 
 (動画を動かせないときは右クリックで「コントロールパネルを表示」を選んでください)
 (iPhoneだと再生できない=画面に動画じたい表示されない事象が発生しています)
 (とりあえずInstagramにも動画を上げておきました。外部リンクが開きます)
貝殻を現代美術ふうに抽象化したような金属の半球が開くと、亀に乗った浦島太郎が音楽とともに登場。ひとしきり手を振った後、玉手箱の煙に包まれたかと思うと一瞬にして老爺に変身(この変顔の仕組み、今回はじめてキチンと確認できて地味に嬉しい)そのままスゴスゴと引き下がりフタが閉じておしまい。このあっけなさが、たまらないと言えばたまらない…
 マニアックな前菜は別として、名古屋港水族館の本当の見ものはイルカ水槽。
 シャチやベル−ガ(白イルカ)も居るし、2階ではイルカショーも実施されてるのだけど、その1階=つまり水面下のプール側面がまるまる強化窓ごしに眺められるようになっていて、芸もプログラムもなく好きに泳ぎまわるイルカを床に座って延々眺めてられる、最高のチルアウト空間なのでした。今回は全景を撮った写真がミスで消えてしまったので過去の画像を再掲しますが、いや画像が残らなくてもいいくらい堪能しました。なんなら20分くらい。
 左:2003年に撮影したイルカルーム全景。右:今回撮ったイルカたちの画像。
 後はもう、ふつうに水族館ですよ。ちょっと「映え」はしないのでココでは紹介できない深海生物とか、相変わらず好かった。
 左:珊瑚礁の海。右:シマダイのように白黒だけどヒレのフチが何だかビーズみたいに光ってる小魚。
 左から・フグっぽいシルエットだけど光沢のある水色とピンクを基調に黒い縞のあるカラフルな魚。・暗い中で光ってるように見えるサンゴ。・甲羅のあるイカ。・エイ。
 なんだかんだで睡眠不足でもあったし、順路のどこかでクラゲを見落としたかな、見たかったんだけどな…と思ったら、順路の最後に「名残を惜しむ」からの命名か「くらげ なごりうむ」という専門ルームが用意されてて分かってるよ…あんたたち分かってるよ…!
 「左から・くらげ なごりうむ」のロゴ。・標準的な?丸いクラゲたち。・ガレのランプを思わせる優美なシルエットのクラゲ。・マッシュルームのような形に不透明で色とりどりのパステルカラーのようなクラゲたち。
 触手がそうめんのように細く長いクラゲ。
 再び屋外へと退場し「そうそう君たち」と再会したのは親子…ではなく(2000万年前の化石で発見された)世界最大のペンギンと(現存する)世界最小のペンギンが向き合ったブロンズ像。いい具合に日も暮れて、名古屋港ともお別れです。
 左:世界最大と最小ペンギンの像。右:暮れてゆく空と、南極観測船。
 入ってくる時に横を通りながら気になった変わり鯛焼きは、鯛焼きの間にアイスやホイップクリーム、あるいはハンバーグや海老フライを挟んでいるというもの。500円なら思い出としては適価だし関心もあったけど、この日は夕食の前に腹をふくらましてはいけない事情があった。そう、今回名古屋に来たからには果たしておきたい目的のひとつ・味仙の酢豚が待っていたのです。
 左;食事系とスイーツ系に分かれた変わり鯛焼きの店頭メニュー。No.1の海老フライ鯛焼き500円のみ拡大で併載。
 (そしてこの名古屋での食べそびれは翌日、京都で取り返すことになる)

4d)味仙本店で酢豚と台湾ラーメンを食べる
 「名古屋の台湾ラーメン」場合によっては「名古屋の台湾ラーメン・アメリカン」としてネタにされがちな台湾ラーメン。そこから派生して台湾まぜ麺とか台湾まぜ飯とか、要は「辛口ミンチをトッピングしたら台湾」という誤解がまかり通っているのだけど(現実の台湾にそういう料理はたぶんない)(逆に台湾に「日式(日本流)台湾○○」が持ちこまれ「これがww台湾www」と笑われる日を楽しみにしている)事実として元祖にあたる名古屋・味仙の台湾ラーメンは旨い。
 まず東京だと神田に「のれん分け」した味仙があります。そして名古屋駅の構内にも支店があるけど混んでそうで入ったことはない。他の支店はよく知りません。自分にとって味仙は(神田と)矢場町にある支店・今池の本店になります。
 今回は夕方しか開いてない今池本店へ。ここの酢豚はパイナップルはもちろんタマネギ・ピーマン・人参も入ってないある種の酢豚好きには夢のような肉だけの酢豚で、もう一度これを食べておきたかった。
 左:肉だけ(つけあわせに甘酸っぱい胡瓜)の酢豚。中:酢豚・台湾ラーメン・白ごはん。右:台湾ラーメンのアップ。
 矢場店の台湾ラーメンはスープが透き通った感じ(神田店もこちらを踏襲してるっぽい)だけど、今池本店のスープは紅く濁った感じで少し酸味があるんですよね。初めて食べた頃は赤く浮かんだトウガラシをまめに拾って除けていたけど、この晩は一緒に構わずすすりこめた。そして酢豚。吾が生涯に悔いなし!と思っていたら、隣で炒飯とビールをキメていたお兄さんが追加でアサリラーメンお願いしますあ、アサリラーメンだとぉ!?(to be continued...)
 ま、(to be continued...)は冗談として、昼も夜も開いてる矢場店のほうで台湾ラーメンのミンチ肉がホルモンに置き換わった(そして変わらず辛い)ホルモンラーメンを食べたことがあって、あれも美味しかったですね…矢場店の酢豚は刻みネギと生の刻みニンニクが薬味でドッサリかかってコレまた旨辛く「美味しいけど味仙の酢豚に求めてるのはコレじゃない…」と思ったのでした。でも、あれはあれで食べたくなる味。神田店にあったかしら。左から矢場店の台湾ラーメン・ホルモンラーメン・酢豚の画像を載せておきます。
 左から矢場店の台湾ラーメン・ホルモンラーメン・酢豚の画像
 味仙の台湾ラーメン(ホルモンラーメンも)は器が小ぶりで、他の料理と合わせやすいのが台湾ぽいなーと思ってます。丼ひとつにガッツリ盛って完結させる日本式のラーメンや丼物とは別の文化。

4e)名古屋で「すがきや」のラーメンを食べる・その他
 台湾ラーメン(神田でも食べられる)の他にもうひとつ、名古屋で食べておきたかったラーメンがあって、まあインスタントでは全国で手に入るだろう「すがきや」のラーメン。20年以上も名古屋に足を運んでおきながら、実はキチンと食べたことがなかった。一度くらいは食べておかないと名古屋に申し訳が立たないのではないか。食べました。
 (ハシゴではありません。別の日に行ってます)
 すがきやのラーメンと味ごはん。
 …まあふつうでした。そもそも、すごい味を期待するものでもないでしょう。老若男女お子さまでも食べやすい柔らかな麺、あっさりめのとんこつスープ、ちょっとおやつの代わりに的なイメージなんかな。中高生の放課後を中高年が(←つまらん)お裾分けでいただいた感じでした。
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 実際には車道いっぽん隔ててるんだけど、名古屋駅から歩いていくとロエベ(ローウィーじゃなかった)→カルティエ→クリスチャン・ディオール→ルイ・ヴィトンといった高級ブランド・ショップの連なりに
 名古屋駅前の写真。ロエベ・カルティエ・ディオール・ルイヴィトンのショーウィンドウが並ぶ。
(質屋の)コメ兵が同じ並びみたいにシレッと隣り合ってるように見えるの
 そしてルイヴィトンと隣り合う(かのように見える)同じようにきらびやかな色合いの「KOMEHYO(コメ兵)」のショーウィンドウ。
今の日本の何ごとかを象徴するみたいで、著しく批評性が高い現代美術のインスタレーションかと思た。
 他の大きな街と同様、ドラスティックに変わる部分と、あまり変わらない(でもじわじわと変わってる)部分を併せ持つ名古屋。ド派手に変貌した駅向かいの高級ショップ(+コメ兵)の並びとは対照的に、駅側で変わらぬ姿を見せる名鉄セブンの≒名古屋駅のシンボル「ナナちゃん人形」。でも行くたび替わってる衣装が今回は服が動画や広告を映し出すディスプレイになってて『三体』とか『荒潮』みたいな中国のSF小説みたいでした。
 左から・相変わらず巨大(隣にいる通行人の4倍くらいある)ナナちゃん人形。頭も坊主で服飾店の白いマネキンがそのまま巨大化したような風貌だけど毎回ちがう衣装で着飾っている。・今回の衣装部分の拡大。伸縮性のあるディスプレイが巻きついていて、何かテレビ番組の宣伝みたいなものが映っている。・夜の名古屋駅。・かつてはツインタワーだったものに、同じくらいの高さの第三のビルが並んでいる。
 それにしても、名古屋駅のツインタワーって、いつからトリプルタワーになったんでしょう?
 (この項つづく)

仮説〜茨木のり子「敵について」(26.01.13)

 昨秋、思う処あって手にした岩波文庫の『茨木のり子詩集』に「敵について」という詩があった。
 全文は引用できないので端折るが、詩の中で詩人(茨木)が「私の敵はどこにいるの?」と問いかけると、誰かの声がすかさず応じる。
「君の敵はそれです 君の敵はあれです」「間違いなくこれです」
どうもあなたが言うのは私が求める敵と違う気がすると躊躇う詩人を誰かの声は叱責する。
「まだわからないのですか」「なまけもの 君は生涯敵に会えない」
それに対して詩人は叫ぶ。
「いいえ邂逅の瞬間がある!私の爪も歯も耳も手足も髪も逆だって」
「私の敵! と叫ぶことのできる ひとつの出会いがきっと ある」

 思慮深い詩人が敵と邂逅できたかは不明だが、軽率で怒りっぽい僕はすぐカッとなっては「敵!」を作ってきた気がする。細かいのは措く。政治家で僕が、それこそ出会うや敵認定したのはジョージ・ウォーカー・ブッシュ(子のほう)、橋下徹、そして安倍晋三の三人だった気がする。細かい経緯は省くけれど、その存在を知るのと「あ、敵」と直感するのが、ほぼ同時だったと思う。その直感は裏切られることなく、三人はそれぞれ僕が最も敵愾心を燃やすような所業を重ねていった。無論そこから逆算して「ああ最初から敵だと思ってた」と自分の記憶を潤色している可能性はあるが、それも措く。
 何が言いたいかというと、この三人を出会うなり「敵!」と直感した・感覚や感情で反発したのと比べると、三人それぞれの後に出たアメリカだったらドナルド・トランプ、維新だったら後を継いだ大阪市長や府知事たち、そして現在の高市早苗首相などに対して、実は「私の」敵!という強烈な感情は、なぜか湧き起こってない気がする。
 もちろん、それぞれの所業には反対している。けれどその反対はどうもしばしば「理性的に考えてありえないから怒ってる」「怒るのが市民の責務だから怒ってる」もので、たとえば安倍晋三の安保法制や共謀罪に反対するため多い時は週に何日も国会前に足を運び、安保法制反対の集会が国会前に一番ひとを集めた時には同人誌の即売会とバッティングしていたため参加を断念したかわり、即売会が終わった足で夕方からやっていた「安保法制に反対する男の娘のデモ」という二十人くらいの小さなデモにくっついて歩いたりすらした(実際には男の娘、というよりふつうに異性装の方々が主導するデモだったけど「一般参加」も可能で、和やかな好いデモだった)、あの異様な熱情を、実は今の高市首相にたいしては持てないでいるのだ。
 ブッシュ、橋下、安倍(あ、今さらですが敬称略)―彼らが携えてきた「今まで見たことのないタイプの無神経な邪悪さ」が、その後継者を前にしても「あ、それは前にもう見た」となってしまうのだろうか。
 ともあれ、繰り返しになるが、話をしぼると安倍晋三という存在にたいして持っていた「私の敵!」という敵愾心を、しょうじき僕は高市早苗首相に対して「理性的に考えて不適当だから」「ここで怒るのが視認としての責務だから」と理屈から入らないと持てていない気がする。
 
 つまり、言いたいことはこうだ:
 もっと高市政権に怒るべきなのに今ひとつ煮え切れない理由を、僕は自分について上記のように自己分析するのだけど、どうしてあなた(たち)は高市政権に対して、もっと怒りを表明してないの?
 お前が見てないだけど日々怒りを表明しているぞ、というお怒りも当然あるだろう。そうあってほしい。
 でも反面、それこそ異性装の人たち(男の娘)まで安保法制反対のためにはデモを主催した、あれほどの反発のうねりが、高市政権に対して巻き起こってない(ように見える)のは、どうしてなのだろう。
 愛想が尽き果てたのか。自分の生活で精一杯なのだろうか。皆を糾合する組織がなくなってしまったせいだろうか。別に怒るほどじゃないと思われているのだろうか。なんなら高市首相、悪くないじゃんと満足されているのだろうか。
 あの時、まがりなりにも国会前の警備を「決壊」させ、車道に溢れた人たちは、皆どこに行ってしまったのだろう?
 夜の闇の中、2015年の国会前に集まった人たちの写真三枚。
今は反抗のしかたが違うんだ、もっと効果的にやってるんだと誰か教えてくれる人はいるのだろうか?

 軽率な僕よりずっと思慮深い詩人は言う。
「我がことのみに無我夢中
 舌ばかりほの赤くくるくると空転し
 どう言いくるめようか
 どう圧倒してやろうか

 だが
 どうして言葉たり得よう
 他のものを じっと
 受けとめる力がなければ」

 (茨木のり子「聴く力」)
 あなた(たち)の言葉を聴きたいのかも知れない。
 職場でも、街角でも、昼食に入ったレストランでも、SNSでも、誰もが如何に自分が正しくて他の誰かが悪いか言い募っている。そういう言葉じゃなくて。
 僕は僕の事情を話した。聴かせてほしい。どうしてあなたは声をあげるのを、やめてしまったのか。やめてない人は、どうしてそこに立ちつづけていられるのか。
 (まあ実際は応答なんて期待してないし、本当に聞かされたら受け止められなくて逃げ出しそうな気もするけど)(この文章自体すぐ撤回して消すかも知れません)

 
同日追記:今の日本の政党政治の「終焉かな?」てグダグダぶり、岩波新書の村上信一郎『ベルルスコーニの時代』や、それこそマルクスの『ルイ・ボナパルトのブリュメール18日』みたいにコンパクトに・かつガッツリまとめた本が出てもいいかなと思う。もしかしたら外国の著者の手で。他山の石に。

【電書新作】スポーツ漫画を描いてみませんか?と遠い昔に誘われたことがあって、ハハハ無理ですと丁重にお断りしたけれど「20年後なら描けるかも」と答えていれば良かったか。人は変わるし世界も変わる。『リトル・キックス e.p.』成長して体格に差がつき疎遠になったテコンドーのライバル同士が、eスポーツで再戦を果たす話です。BOOK☆WALKERでの無料配信と、本サイト内での閲覧(無料)、どちらでもどうぞ。
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RIMLAND、電子書籍オンリーですが20ヶ月ぶりの新刊『読書子に寄す pt.1』リリースしました。
タイトルどおり読書をテーマにした連作に、フルカラー社畜メガネ召喚百合SF「有楽町で逢いましょう」24ページを併催・大量リライト+未発表原稿30ページ以上を含む全79ページ。頒布価格250円(+税)で、一冊の売り上げごとに作者がコーヒーを一杯飲める感じです。下のリンクか、こちらから。
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書誌情報(発行物ご案内)はおいおい更新していきます。(22.11.03)
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